ご挨拶
エネルギーと地球環境の関係性が大きく問いただされるこの時代に建築に 携わる我々技術者は都市と一体化した建築を自然に逆らわない形で作りあげていく責務におかれています。その先には人がいかに心地よく過ごせる空間、そして 暮せる街を創っていけるのか?このような事を常にイメージしながら建築設備の設計者は夫々に技術者としての立ち位置を確立することが求められています。
社会の中には既に再生可能エネルギー、省エネルギーといった事は全ての人達が理解している言葉となっています。更には高気密高断熱・省エネ設備 といった技術やエネルギーの見える化などは新たな建築をする建物には必ず取り込まれる時代になりました。 更にはZEB,ZEHといったゼロエネルギービル、住宅などエネルギーへの関心は高まり、維持保全に関しても重要視しなければなりません。
その様な世の中で人が豊かに暮らす為に設計者として塾考しなければならない事があります。 それは自然環境を出来るだけ重要視すること。建築として設備を見た時に、風や水や太陽は動く素材として捉える必要があるでしょう。建築意匠が色や肌触り、更には 体感を通じ建築を表現するように我々は風・水・太陽をうまく使い、その調和と建築設備を表現していかなければなりません。 かつて高度経済成長期には日本の技術の結晶として多くの画期的な製品や設備が誕生してきました。合理主義や機能性を求められた中で創りだされた水廻りのユニット化 などは正にその象徴であると思います。
今この時代、社会が求めているものは豊かな暮らしであり、そこには従来の技術とは違った感覚を取り入れていかなければなりません。 豊かな社会から豊かな暮らしに。人の心にゆとりを与えられる建築。そこには建築設備の技術者である我々が今まで培ってきた技術の上に更に磨きをかけて自然と調和 した建築を創りあげ人々の暮らしに喜びを与えられるような仕事をしていかなければならないと考えています。
私達は建築設備の設計者として度重なる技術革新に取り組んで参りました。 新たなテーマであるエネルギーに対して真摯に取り組む建築設備の専門家としての挑戦はこれからも続きます。そして次の世代に技術と水と緑の地球環境を伝えて参り ます。
一般社団法人千葉県設備設計事務所協会
会 長 梶原 等